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あの町の中にだけそれがある 猫町UG×東京藝術部『会田誠を読む』[前編]


昔、ワタクシの育った町のこと。

子供たちの遊ぶ広場の少し先に
「ごんちゃん」がおりました。

仕事にも行かず、年中どてらを着込んで
広場を見張ってて、何かのタイミングで
奇声を上げてわれわれ子供たちを追いかける。

バブル景気とやらが日本を踊らせていた頃の田舎町の話です。
そんな変わったひと、きっとどこの町にもいたことでしょう。

近頃の町には、そんなひと見なくなりました。
そしてその近頃の町は、綺麗にもなりました。

因果関係があるわけでもないでしょうが。

良くないものを排除してしまえば
良いものだけが残るんでしょうか。

ずいぶん、乱暴な問いかけですが。

「良い」と「悪い」には境界線
キワってものがございますな。

皆様の気持ちの中にもある価値のキワ。
その「自分のキワが一体どこにあるのか問題」
そんな難問を見つめて見極めようとする
素晴らしい時間を過ごしてまいりました。

当日の高揚

書いた人に直接、作品の話を聞ける。
こういうことってそうないですよね。

素敵なことを仕組むなぁ。

しっかりした当日のイベント内容は猫町倶楽部【Website】
【動画付】猫町UG&東京藝術部合同イベント『会田誠を読む』
こちらをご参照頂ければグッと伝わります。

一方のワタクシはいつも通りの好き勝手を致しまして
酔狂な戯れ言痴れ言を書き連ねて参りたいと思います。

正午に差し掛かる新宿に降り掛かる雨。

いつものようにお邪魔するのは
新宿ロフトプラスワン【Website】へ。

いつものように
猫町UG読書会の山本代表【twitter:@tatsuya1965】
チアキ隊長 【twitter:@CheeChiaki】にご挨拶。

いきなり手渡される、おにぎり。
そして会場に溢れる、おにぎり。

この日のための、新作おにぎり仮面マスクとのこと。 そして、会田誠さんが今回のために特別に書き下ろしてくださったおにぎり仮面!印刷されたおにぎり仮面をチアキ隊長がせっせとカットしたのだそう。 今回の課題本は 「美しすぎる少女の乳房はなぜ大理石でできていないのか」 「カリコリせんとや生まれけむ」 「青春と変態」 ゲストはその著者、会田誠さん【Twitter:@makotoaida】 です。

チアキさんのブックカバーを拝見するのは
こちらにお邪魔した際の楽しみの一つです。

毎回、課題図書やテーマに添ったブックカバーを作られるチアキさん。
今回、作成されなかったのはこういう意図があったからなんですね。

猫町UG読書会には、他の読書会と異なり
ひとつのドレスコードが設定されています。

それが、仮面です。

今回はまるでおにぎりがドレスコードな会場。

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はちきれそうなおにぎり具合です。
参加の方は今回80人を越えるとか。

でも、かえってこの
肩の近い感じがいい。

ミツミツのパツパツ。
モリモリのワクワク。

そんなのこんなで
はじまりはじまり。

この会場をあっという間に『猫町空間』に引き込む
若林美保さん【twitter:@wakamiho】の時間。

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墨黒の上に艶がのたうつ、ラテックス。
全身タイツと、光と影とが強調する
その身体の線、その動きの妙
それだけでも、飲み込まれます。

誰でもない姿の中で光る首輪だけが
誰かの所有物である事を伝えて来ます。

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幕開けから

そして、いきなりのサプライズ。

当初予定にない会田さんの事前説明が入りつつ
本編の読書会が始まってゆきます。

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のっけから、会田さんは各テーブルに参加されて
執筆当時の背景や質問等、意見交換されています。

今回は課題図書も複数冊とボリュームがある中で
読み進めた冊数に応じてテーブルを分けているので
皆さん理解にデコボコがなく意見を出しやすい。
これもシンプルでいい工夫だなと思います。

個人的に面白かったのは男性と女性で
共感する作品が結構くっきり別れていたこと。

男性は自分の黒歴史、青春のオーバーレブを思い出すのか
『青春と変態』に共感されるという意見が多く
女性は毎日の暮らしや家族の出来事に興味を持たれるのか
エッセイに共感を持たれるという意見を多く耳にしました。

また、女性から『青春と変態』の主人公は
「そんなにイヤじゃない。むしろ好感が持てる」
という意見が複数出て来て大変面白かったです。
自分の中の「キワ」が動くのを感じた部分でした。

ますます盛り上がる中で
読書会の時間から休憩へ。

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その後は会田さんも参加されて
ベストドレッサーの選出へ。

意見の応酬で育んで来た雰囲気が
ここから和気藹々と花咲きます。

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そして本日随一のベストドレッサーは会田さんにより決定。

「ブラの有無」が決定打、と申しましょうか
「美しすぎる少女の乳房はなぜ大理石でできていないのか」
にちなんだ衣装から選ばれる気持ちよさ。

ここでワタクシが個人的にぐっと来ましたエピソードは
『青春と変態』の主人公のコスプレをされた方に対し
会田さんはそのスキー衣装の時代考証に言及されていて
なるほど、まさに「視覚の人」の鋭さだなあと思いました。

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おにぎりなみんなで記念撮影をした後
会田さんのトークショーが始まります。

絵の代替でも補足でもない言葉

次作の文章作品の展望や題名から美大や美術予備校や
それらを含む美術界全般まで、というんでしょうか
会田さんの思うことについて、また時間の後半からは
参加者の皆さんからの飛び出す様々な質問について。

どう伝えたらいいのか
どう受け取られるのか

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会田さんは時間をかけて丁寧に慎重に
言葉を選ばれていたのが印象的でした。

『げいさい』とは一体!?
それはナイショなのです。

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そんなわけで【後編】に続きます。

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hachi

孤児なので人と話せることを喜びます。

あいまいなもの、古いもの、「自己顕示欲の少ない人・引っ込み思案な人の告白」や「懺悔」が好き。
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