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鶏肉のフェティッシュな誘惑! 鶏肉グラビア(下)


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3月某日、ついに憧れのモデルさんとのご対面。

クーラーボックスから取り出された瞬間、「おお!」と思わず声をあげてしまいました…。

「モデルさんによって、それぞれ肉付きが違う」とは八郎さん(Twitter: @88Chicken8888)談。

 

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(撮影:八郎)

そう言われてみると、筆者が八郎さんとのセッションで撮影したモデルさんは、過去作品に比べてややこぶりな感じも、しないでも……ないかな。

 

鶏肉グラビア撮影テクニック

そのままの状態では直立できないほか、安定性がないので、カメラ担当とモデルさんへのポージング指導担当という2人体制での撮影が多いとのこと。

というわけで、下記に載せた数枚の写真は八郎さんにポージング指導を手伝って頂きました。

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(撮影:鈴木真吾)

八郎さんの鶏肉グラビア(現時点では、作品集『鶏夏』として頒布中)は自然光やLED等の照明を使っての撮影が中心な一方、筆者はポートレート撮影のテクニックをベースにしストロボを多用しています。

また、八郎さんと筆者がそれぞれレフ持ち等のアシスタント役に回れるので、鶏肉グラビアでストロボやレフ板を使った、また同ロケーション名・同被写体を互いにどう切り取るか、という辺りが今回のセッションを行うにあたって、何よりも結果が楽しみな問いでした。

 

鶏肉グラビア撮影実践 ストロボ編

 

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(撮影:鈴木真吾)

鈴木「てかってますね」

八郎「ぎらついてますね」

鈴木「ジューシー感やばいですね」

という感じのやりとりがあったストロボを使った例。

光があたって強調される肉感的な形状や鳥肌。撮影数日前のお風呂効果で、モデルさんの肌コンディションもバッチリ。

 

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(撮影:八郎)

 

鶏肉グラビア撮影実践 自然光編

 

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(撮影:八郎)

八郎さん曰く「森の妖精さんになる」と言う木の枝は、鶏肉を座らせるのに便利でありつつ、なんていうか……その、座ってるだけでも、異様なセクシーさがあります。

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(撮影:鈴木真吾)

ぷりっぷりのヒップ(ぼんじり)や、キュッとしまった脚(もも、ひざ)、ちょこんとかしこまった感じの手(手羽先・手羽元)、そしてなによりもちっとした感じで柔らかそうなバスト(胸肉)。

ストロボ光だと油のてかりが強く出てジューシーさが出る一方、自然光だとよりふわっとした感じで、ナチュラルポートレートっぽい雰囲気も強くなります。

俗に言うポートレートレンズ(35mm換算約85mm)で、典型的なポートレートをイメージして撮ると、頭部はないのに、あたかも顔がこちらを向いているようにも見え、丸みのある形状やポーズが女性的な雰囲気を感じさせるのか、(女性)ポートレートっぽい感じに見えてしまうのが不思議です。

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(撮影:鈴木真吾)

 

鶏肉グラビア・フォトセッションを終えて

イラストのほか、人形やマスク等造形や映像作品(鶏肉グラビアのストップモーションやGIFアニメ)も制作する八郎さんは写真が専門ではないので、同じ被写体を撮るにしても、ポートレートを中心に活動する筆者(八郎さんと同じく、写真専門ではなく、制作活動は複数領域に跨がる)とは、構図の作り方や被写体の捉え方といったアプローチは大きく異なっております。

 

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(撮影:八郎)

八郎さんのアプローチで特徴的なものは「素朴さ」や「日常的な光景」「身近な雰囲気」かなと、画像を拝見しながらぼんやり考えていましたが、実際に鶏肉グラビアを撮ってみると、自分の作風のクセを再確認すると共に、八郎さんのアプローチがより明確に感じられました。

 

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(撮影:鈴木真吾)

作例でいえば、自分作風の色合いが色濃く出たのが、背景をぼかした寄り構図(ポートレート風)と、ストロボで光を落として陰影を強くだしたもので、川を前にたたずみ、青春的な雰囲気のある上の2枚(2枚目はかなり引きなので、八郎さんならばもっと寄りで攻めたかも)が、自分が見出した八郎さん的なアプローチを意識してみました。

 

 

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(撮影:八郎)

というわけで、導入(1回目)・理論(2回目)・実践(3回目)に渡って取り上げてきた鶏肉グラビアについての記事は、一旦完結。

 

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(撮影:八郎)

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(撮影:鈴木真吾)

相変わらず、そのインパクトで新たなファンを開拓し続ける鶏肉グラビアは、消費されやすいネタである一方、非常に複雑な文脈を内包していると思っております。まずは3回分の記事を参照して、色々な観点で捉え直して頂ければと思います……八郎×筆者(鈴木真吾)での作品撮りや協同は、まだ今後も続くので、乞うご期待!

 

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鈴木真吾

鈴木真吾

学習院大学大学院身体表象文化学専攻博士後期課程在籍中。文化社会学、ジェンダー論を専門にする傍ら、多方面に研究領域を拡大中。研究と並行して、サークルC-ROCKWORKを率いつつ、同人誌製作(編集・DTP)やイベント出展、写真撮影&展示、各種媒体への寄稿等で活動中。レトロ、猟奇、アングラ、サブカル、キッチュ、フリンジ、B級・Z級などを愛好。
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