一鬼のこさん個展「Red」
@ ギャラリー新宿座
「Red」
真っ赤な縄が白い空間に紡ぎだす、いろ、かたち。
一鬼のこさんの、神田画廊での個展に続く、
Redの世界。
ギャラリー新宿座の2つの展示室すべてが、
鮮やかな作品群で埋められ、
ファンにとっても、
初めて見る者にとっても、
それは戦慄するほどの美しさでした。
「ロープアート」と言われる
鬼のこさんの手法は、
人体を縛る緊縛というより、
より人体や球体の形を強調し
存在を浮き立たせる、
描画のような手業。
だから、虚空に描かれた絵画のような、
印象を受けるのでしょう。
モチーフとなっている
女性たちは様々な個性があり、
裏面のドラマも垣間見せているような
気がします。
また、「吊るす」「垂らす」「集める」
といった人体とロープの扱いに加え、
その動く一瞬をも
捉える技術。
数々の写真に秘められた、
その姿に至るまでの時間と手腕。
気の遠くなるような、
積み重ねであったことでしょう。
だからこその高貴な美です。
入り口の壁面には、写真集にも収録されている、
メイキングシーンの解説が貼られていました。
よおおーく見ても、なんだか想像を絶するような、
工程であることは間違いありません。
逆さにプリントされた、
あたかも縄が植物のように生えている作品も、
とても印象的です。
ポスターにもなっている、
女体が鈴なりになっている作品にも、
心がザワザワする感覚を覚えます。
きっと、思い立っても、
実現するには困難だろう。
容易にその考えに至るシチュエーションに
挑戦なさっているのが、
心に刺さってくるのかもしれません。
美しいものが好きな人、
戦慄したい人、
将来なんらかの作品を作りたい人。
どんな人にも見てもらいたい展示でした。
「Red」展示は、札幌でも開催されます。
【展示概要】
開催日程
2016年4月16日〜18日
開催時刻
16日13:00~19:00
17日13:00~21:00
18日13:00~18:00
開催場所
MACHI×ART CENTER SAPPORO
URL:http://www.oyoyo16.com/top/?m=20160416&cat=17
【一鬼のこさん公式サイト】
http://shibari.jp
Twitter @hajimekinoko
【モデル:七菜乃さんサイト】
http://www.diamondblog.jp/official/nana7nano/

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