昨年2014年2月1日のパリで初上映された本作品「ITECHO-凍蝶圖鑑-」。
様々なセクシャルマイノリティの生き様を、さながら美しい図鑑のように綴った本ドキュメンタリー作品。
ようやく、やっと、念願の、東京での上映となりました。
待ち望んでいたお客様が多いことに加え、作品の注目度自体も高かったことから初日の舞台挨拶は満員御礼どころか、立ち見までもが出る盛況ぶり!
<登壇者紹介>
田中幸夫監督(以下監督):映画監督、風楽創作事務所主宰。
1976年よりフリーの演出家としてPR映画・TV番組・教育ドラマ・ドキュメンタリー映画に携わる。
1989年 風楽創作事務所設立。
『凍蝶圖鑑』の他、『未来世紀ニシナリ』『Pak-Poe 歌いたい歌がある』などがある。
公式サイト http://movie.walkerplus.com/person/218464/
コトニアイさん(以下コトニ):wet&messy(WAM/濡れる・濡らす・汚れる・汚すことへのフェティシズム)アーティストとして活動。
普段の生活ではお子さんもいる家庭の主婦。当日はピンクの水玉模様全身タイツの衣装で舞台挨拶に参加。
名前はカート・コバーンの妻にしてholeのVo/G、コートニー・ラブに由来
※コートニー・ラブ Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%96
_underlineさん(以下_underline):ラバリスト。
ゴム・ラバー・ラテックスへのフェティシズムを持つゴムフェチだからと言ってなにも「全身に纏う」(トータルエンクローズ)に限らず、それ以外の愛情表現をと、手頃で安価なゴム手袋を使用したインスタレーションを実践するアーティストととして活動中。
名前の由来はシンボリックでありながらあまり突出しない、また検索しても名前として使われていないことから。
大黒堂ミロさん(以下大黒堂):漫画家。薔薇族でデビュー。
名前の由来は中学生の時に初めてカミングアウトした際、手に持っていたものがたまたま飲み物の「ミロ」だったことから。
―――なぜこの映画を撮影したのか?
監督:マイノリティ問題と言うのはずっと持っているテーマ。関西で生まれ育ったので部落差別や在日朝鮮人差別問題が身近であり、ドキュメンタリーも撮っていた。セクシャルマイノリティの世界を撮影したのは、その延長線上であり自分の中では必然だったと思っています。
たまたま朴保さん(シンガーソングライター)の映画のポスターとジャケットを作ったのが大黒堂ミロさんや出演もしている東學さん・谷敦志さんの3人でした。
そのミロさんが変態バーをやっているというので通っているうちに「なぜ私たちの映画を撮らないのだ」と言われ、そこから覗き見するように作り始めたのがこの映画です。
※朴保さん公式サイト http://www.pakpoe.com/
―――出演をOKした理由は?
大黒堂:自分は普通だと思っていたので、紹介だけするつもりだった。今回メディアに変態の親玉のように書かれているが不本意(笑)
監督:関西では変態の親方と呼ばれていますから(笑)
_underline:谷敦志さんとコラボしている時に監督と知り合って、エキストラ程度かと思っていたらこんなことになっていた。
コトニ:撮られてもチョイ役かカットされるんじゃないかと思っていたくらいなのでびっくりしている。
―――なぜ「凍蝶圖鑑」とつけたのか?
監督:『凍蝶の己が魂追うて飛ぶ』という詩人高浜虚子の句が好きだったことから名付けました。
またこの作品以前に井筒監督の作品でもカメラマンをしていた牧逸郎さんと「凍蝶」というドラマを撮ろうとしていました。
牧さんが亡くなってしまい、そのアイデアが浮いてしまったのですが、「凍蝶」という単語は頭から離れず変態と言うのではなくて凍蝶たちが舞う映画というイメージで「凍蝶」と用いる事に。
いろんな人が出てくるから図鑑、どうせ読めないだろうから「圖」も難しくしてみたら今になってそれを怒られていると(笑)
―――各人の考えるこの作品の見所とは?
大黒堂:「おねぇキャラ・ドS・ドM」等、一定のセクシャリティを示す言葉はお茶の間でも一般的なものとなり、そういったマイノリティを有する人々が市民権を得たようにも言われていますが、実際はわかりやすいものではなく多様性があることをこの映画で観てほしい。
_underline:とにかく感じてもらえたらいいと思います。個性的な人たちがたくさん出てきます。
コトニ:言葉にするのが難しい映画だとは思います。私もこれ(全身タイツ)を脱いだら普通の人ですし、セクシュアルマイノリティとして以外にも「なにかのマイノリティ」である事を気にされている人もいると思いますので、そういった部分にも注目して観ていただければ。
監督:この作品は、
東京のチラシに「会ってなかったら死んでいたわ」
関西のチラシに「普通に生きようとするなら それだけで十分狂っている。」
というコピーをつけていました。
「普通って一体何だろう?」ということを考えながら観ていただければと思います!
新宿武蔵野館で1/23まで公開中!
http://shinjuku.musashino-k.jp/
凍蝶圖鑑公式サイト
http://itecho.jp/
大黒堂ミロ
https://twitter.com/daikokudo
_underline
http://lineunder.blogspot.jp/
コトニアイ
https://twitter.com/loveai_
http://clubwam.tumblr.com/
司会進行:山内勉(“創造集団”生活向上委員会)
http://seikatsukoujou.com/

FetiTokyo編集部

最新記事 by FetiTokyo編集部 (全て見る)
- カイ・リーの音フェチ実験室 ー 第七弾「○○の音」 - 2016年1月23日
- カイ・リーの音フェチ実験室 ー 第六弾「飲む音」 - 2016年1月16日
- カイ・リーの音フェチ実験室 ー 第五弾「鍵の音」 - 2016年1月9日