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【9/27まで!】公募緊縛写真展「春夏秋冬」リポート@ギャラリー新宿座


大盛況のうちに幕を閉じた「裸ってなに? 現代日本写真家のヌードフォト2015」(8月25-8月30日)が催されたギャラリー新宿座にて、公募緊縛写真展「春夏秋冬」が、27日(日曜、最終日17:00まで)開催中。

オーディエンスによる投票企画(1位の作品は半年後に予定中の第2回のフライヤー画像になるとのこと)もあり、本記事がアップされるのは会期中のため、個々の作家さんの作品について触れることはできませんが、展示風景と共に今回の展示の特徴をご紹介していきたいと思います。

二重の意味での「初」の試み

公募企画である本展示は、新宿座初の公募展であり、緊縛写真の展示では本邦初の公募展でもあります。「緊縛」の部分に関しては、美学や作品性、そして安全性(スペクタクル的な見せ方を重視してか、知識経験の少なさかは一概にいえずとも、危険な縛り方が応募作品に幾つか見られ、審査のある公募という形式上、厳格に判断)が重視されつつも、プリントや作品性を問われる「写真展」とも異なる、オルタナティヴな公募展でもあります。

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出展作家陣には、緊縛と写真撮影の双方の技術に長け、展示経験も豊富な方(紫護縄びんごさん、スズキレイジさん、一鬼のこさん)がいる一方、緊縛という文化をより広くオーバーグラウンドな層に広めた故・明智伝鬼さん(『タモリのボキャブラ天国』等のテレビバラエティ番組で、緊縛についての積極的な指導や協力を行ったという話を、去年か一昨年頃、明智さんを裏で支え続けてきた方と飲んだ際に聞いた覚えが)の提唱された「古典緊縛」を継承した春兜京さんなど、ギャラリーで催される緊縛写真の展示に見慣れているオーディエンスには初観覧が多いと思われる、緊縛文化世界の深い部分にコミットメントしている方も参加されています。

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第1回であれど、初回から海外勢も参戦

BDSM(ボンデージ、ディシプリン、サディズム、マゾヒズム)が海外から国内に輸入され、文学、芸術辺りを苗床にフェティッシュ・カルチャーや身体改造、その他諸々、際限なく広まっていく一方、「緊縛(”rope art”という用語か、”kinbaku”というローマ字表記かは調べきれておらず)」も海外諸国に輸出され、独自の文化を形成しています。

筆者も時折お邪魔させて頂いている、紫護縄びんごさんの講習会にはフランス人の方が定期的に参加されているだけでなく、今回の展示では2人の海外勢が審査を突破して展示に参加されています。1人は取材日である9月23日の18時半頃に在廊されており(その日が最後の在廊)、もう1方はニューヨーク在住とのこと。

投票の関係もあり、2人の作品について詳しく述べられませんが、筆者の印象としては「海外の方が2人参加している」と教えられなければ気づかないほど、日本人作家の作品群の中に違和感なく溶け込んでいると、驚かされました。

特に、猿轡や柄杓などを小道具に使った方の作品は、手ぬぐいを用いた猿轡の美学に筆者を引きずり込んだ椋陽児先生を彷彿させられ、レトロな色彩や展示方法も……と、会期中でもあり長々書くわけにはいきませんので、ぜひ会場で作品を御鑑賞下さい。

「緊縛」と「写真展」とその展開

本展示は「緊縛」と「写真展」の中間的な性格を持っているということは、既に述べた通りです。「写真」に興味がある人が、「緊縛」という和的な様式美と、「春夏秋冬」というテーマと組み合わされた表象(ロケ撮の場合、地域によって異なる四季の表情も見所です)を知る機会であり、「緊縛」に主な興味を持つ層が、展示形式、印刷に用いる用紙、額装、作中のライティング、国内にある見知らぬ世界等々、プリントされた「写真」が伝達する様々な情報を知る機会でもあります。

 

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特に、「緊縛」に対してネガティブや猥雑なイメージを抱いている方にこそ、耽美と情念と様式美に溢れた世界に触れるための窓口として、高いと思われながらも極めて低く、じっくり作品と向き合える贅沢な空間を体験して頂きたいと思っております。

もちろん、作品投票もお忘れ無く。投票用紙のマスは大量にありますが、全てを埋める必要はないのですが、刺激を受けた作品の番号(各作品に番号が掲示してあります)をマスを埋め尽くすまで記入しても、なんら問題はありません。マスを埋め尽くしても足りないと思うほど、心を動かされる作品を発見したという記録になりますので。

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【開催概要】
ギャラリー新宿座
http://shinjukuza.jp/
2015年9月22日(火)~9月27日(日)
12:00~20:00(Last day~17:00)
入場料¥500

◆出展者
紫護縄びんご
THL
たたぽん
Hozumi Ihara
Janusz Swiat
悟空
スズキレイジ
春兜京+小雪
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一鬼のこ(特別招待作家)

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鈴木真吾

鈴木真吾

学習院大学大学院身体表象文化学専攻博士後期課程在籍中。文化社会学、ジェンダー論を専門にする傍ら、多方面に研究領域を拡大中。研究と並行して、サークルC-ROCKWORKを率いつつ、同人誌製作(編集・DTP)やイベント出展、写真撮影&展示、各種媒体への寄稿等で活動中。レトロ、猟奇、アングラ、サブカル、キッチュ、フリンジ、B級・Z級などを愛好。
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