先日、一鬼のこさんの撮影現場を取材させて頂きました。
【一鬼のこさん(@hajimekinoko)】
和の緊縛、光る縄、白と赤縄の世界などの作品の制作を行っていらっしゃいます。
併せて展覧会の開催や、写真集を販売されています。
タンカン設営から、ライティング、カメラセッティング、インスタレーション、撮影まで、一通り拝見させて頂きました。
タンカン設営中、少し手の空いた鬼のこさんに
インタビューさせて頂きました。
ー種、芽、食虫植物 成、そして枯ー
ー今回のテーマは、どういったものからインスピレーションを受けたのでしょうか?ー
「今回のテーマは食虫植物。食虫植物が食べるのは、生きるため。つまり食物連鎖は 地球や宇宙と「つながる」ということ。そんな「つながり」に視点を置いています。」
ー日本と海外の緊縛に対しての価値観の違いはどのようなものがありますか?ー
「海外ではコネクションとかコミュニケーションを重視したSMではない縛りをする人が沢山います。ファッション的な縛りもあるしアート的な縛りもある。
日本の素晴らしい縄の文化や海外の文化。 “縄”を使って、今までにない表現に挑戦したい。」
たしかに、日本は固定概念や偏見が多い。
Feti.Tokyo(フェチ東京)内でも触れていることですが、今、フェチ界の中で、
「今までのフェチ概念を守ろうとする」人達と、
「ファッション的だったり、自由にフェチを愛する」人達の間で、価値観の衝突が起きています。
フェチとは、他人に見せるのを躊躇してしまう自分の一部分であり、それが人それぞれ違うのは当たり前。
「緊縛」にも、「SM」にも、概念や捉え方は十人十色であり、その中で否定し合っても意味がないと、私は思います…。
フェチって、自分を開放することなのではないのでしょうか?
鬼のこさんの「偏見や固定概念が好きではない」という言葉に、大きく頷くほかありませんでした。
「SM」ではなく「緊縛」
ー鬼のこさんが緊縛に興味を持たれたのは、何がきっかけだったのでしょうか?ー
「私はそもそもSMではなく緊縛が好きなんです。15年前に付き合っていた彼女がSMが好きで。それで彼女が喜ぶと思い様々なSMプレイを調べたり、やってみました。
ですが一通り興味がなかったみたいです。でも緊縛だけは美しいと感じ、それから縄だけは好きでずっとやってました。」
鬼のこさんに同行していた、鬼のこさんのドキュメンタリー映像を撮っているという大学生の女の子も、「SMには興味はないけど、緊縛や縄には興味があるんです」とのこと。
私自身、SMに興味があるので、緊縛に興味があるという感覚は掴みづらかったけれど、色んなフェチの在り方、価値観があって、素敵だなと思いました。
ーどういった意味でこのような作品を作っているのですか?ー
「赤縄を使っているのですが、赤はまず血を連想させる。血は生命そのものであり過去からのDNAを感じさせその赤縄で 人や空間をとらえることは、様々なことに連鎖していくストーリーが見えてきます。血とは、つまり「つながり」。縄からつながりを感じるんです。」
撮影では5kmほどの縄を使用するそう。
ー縄はなめして使用しているのでしょうか?ー
「人に使う縄は、煮たり、焼いたり、蜜蝋をつけたり、油をつけたりいろんな工程を経て柔らかくしたり、滑らかにしたりします。
作品に使う縄はとんでもない量なのでなめしたりはしてませんが、赤く染まっている縄なので、業者が染める段階で一度煮ていると思うんです。なので普通の縄よりも柔らかいのでそのまま使っています。」
インスタレーション、撮影風景から、縄の魅力がものすごく伝わってきました。
鬼のこさんの想いが、縄に伝わっているのでしょう。
今回の撮影は
モデル:街子さん(@machiko801)
原宿系ストリートファッション誌KERAで人気の読者モデル。今はモデル業と女優として活動。今回の撮影も舞台を終えたばかりで参加をしてくれた。
衣装担当:「Baby Doll Tokyo」緑川ミラノさん(@miranoirchaton)
日本で初めてプレタ・コルセットをオリジナルで作ったセレクトショップBaby Doll Tokyoをファッションの中心地 原宿で2000/12/25から営んでいる。
メイク担当:CHIAKIさん(@c_chiaki_)
INFAMOUS MAGAZINEの表紙巻頭のヘアメイクを担当。北米最大級のフェティッシュイベント「モントリオール フェティッシュウィークエンド」にてKurage、パトリス・カタンザロのファッションショーなどもサポート。国内外のアンダーグラウンドシーンで活躍。
緑川ミラノさんの、その場の雰囲気、緊縛にに合わせて布を現場で切貼りしたり、モデルの身体に巻きつけて作る即興的な衣装。
Chiakiさんのフォト ストーリーに沿い徐々に成長して枯れを彷彿させる幻想的で斬新なヘアメイク。絵が引き締まってゆく。
そして
街子さんの、シャッターと共にポーズを決める姿、どれも素敵で、感動しました。
こうやって、たくさんの人達の力が集まって、ひとつの作品が出来上がっていくんだと、実感しました。
きっかけなんて、人それぞれですが、
私はトラウマとか囚われてる想い、そういうものが制作に繋がっていたりします。
でもそれは決して負な感情ではなくて、とても前向きな感情です。
それがあるから、今がある。
鬼のこさんの撮影現場をリアルに感じながら、
今こうして見ている風景も、きっとこれからの自分に繋がっていくんだろうなあと思いました。
見るものや経験すること全てに、何一つ、無駄なものなんてないんだろうなあ、と改めて思わせてくれた一日でした。
ここまでの写真撮影:野添猛臣
個展概要
2015年9月9日(水)~13日(日) 15:00~21:00まで。
神保町画廊 〒101-0051 東京都千代田区 神田神保町 1-41-7
http://jinbochogarou.com/
9/10(木)~9/13(日)
赤縄ブレスレット生縛りプレゼント!
希望者の方には、実際に作品で使った赤縄を使ってブレスレット風に縛り、プレゼント。

REINA
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