こんにちは。仮面屋おもて大川原です。
このあいだ、はじめて会うひとに職業を尋ねられたので、いつもどおり
「仮面を売っています」
とこたえたら、いつもどおりこんなふうな返事が返ってきました。
「ああ、あのイタリアの。仮面舞踏会とか。」
そうそう、日本で仮面やマスクというと、まず思い浮かぶのがこういうタイプのマスクですね。
出典:pantheonphotos.wordpress.com
次点で能面。
出典:mitsue-yuya.com
負けるな能面、がんばれ能面、やつらより知名度が上がるその日まで。
以上出典:nohmask21.com
ちょっと能面びいきをしてみました。
ベネチアンマスクってやつ
仮面の、ベネチアにあるやつ。
出典:carnevaledivenezia.tumblr.com
あら素敵ですね。
ベネチアの道端や店先にたくさんのマスクが並んでいるさまは、まさに「仮面屋」といったかんじです。
ものによっては10ユーロくらいで買えますから、どこぞの極東の仮面屋とは大違いですね。
こうしたマスクは主に、ベネチアで催される大きなお祭り「カーニバル」で使用されます。
マスカレードと呼ばれる仮面舞踏会の中でも、やたら大きいやつですね。
なんたって「ベネチアンマスク」ってよばれちゃいますからね。
うちの仮面が「東京マスク」ってよばれちゃうみたいなことですね。
ちょっと違いますかね。
いちおしおもしろポイント
こうしたマスカレードの起源をきっちりたどるとわりかしややこしいのですが、王侯貴族のパーティだったり、だいたいそういうところなんじゃないですかね(てきとう)。
まあ、仮装したり仮面をかぶったりするとテンションが上がるのは今も昔も変わりないということですね。
あととりあえず、個人的なおもしろポイントのはなしをしますね。
仮面舞踏会のいちばんのおもしろポイントは、仮面がある種のパフォーマンスに過ぎなかったのかもしれないというところですね。
たとえばいまのカーニバルは、全身を仮装して、まったく誰だかわからない仮装が多いですね。
ふたたび。
もちろん何万人ものひとと出会うわけですから、そもそも誰が誰だかわかるわけがない。
一方、むかしの、貴族の催しとしての仮面舞踏会を考えると、どんなひとがやってきているのかはある程度わかっています。
規模もそうですが、どれだけ仮装をしていても、主催者や、ふるまいや、パーティの趣向を考えたら、どの仮面が誰かしらというのはなんとなく予想がつくわけです(当てっことかもしたみたいですよ)。
とはいえ仮面をつけて仮装しているので、その場だけは「どなたかは存じませんがうふふ」というふるまいができるというもの。
まわりも「見て見ぬふり」でもないけども、「見てないことにしてあげる」ということですね。
だから傍若無人が許されるわけではないけども、ある種の無礼講な催しもあったはずで。
あんまりおイタしちゃだめよといいつつ、おイタすることも許されている。
そんな仮面舞踏会。
無礼講すぎて禁止令が出たとか。
いうなれば、仮面をかぶっているということが「今夜のことは一時の楽しい夢なのよ。」という、アピールになるわけです。
なんとなく、妖しげな妄想がふくらんできましたね。
さいきん、仮面かぶってないなあ
ちなみにうちはご要望があればベネチアンマスクもお取り寄せいたします(宣伝です)。
しかし、むかしのヨーロッパと比べると仮面をかぶる機会の減った昨今、ベネチアンマスクだろうが能面だろうが、どこに仮面をつけていけばよいのでしょう?
仮面をかぶりたいけども、かぶっていくところがないのよね。
そういうお悩みも多い昨今。
あら、偶然にもそんなあなたにぴったりのイベントが。
第5回 猫町UG 東京
- 東京【18禁・仮面読書会】バタイユ「マダム・エドワルダ/目玉の話」
- 開催日 2015年6月21日(日)
■会場 新宿ロフトプラスワン 新宿区歌舞伎町1-14-7林ビルB2 マップ
■タイムテーブル (若干前後することもありますのでご了承ください)
12:30~ 受付開始
13:00~ オープニングパフォーマンス/読書会/メインパフォーマンス
(ゲストは若林美保さん 【公式ブログ:仏座(ほとけのざ)】)
16:00~ 懇親会
■参加費
読書会 3000円(1ドリンク付)
懇親会 4000円
■課題図書 バタイユ 「マダム・エドワルダ/目玉の話」(光文社古典新訳文庫)
■参加条件 課題本の読了及びドレスコード「マスク」着用
*課題本の読了はこの会の大切な参加条件です。
課題本を読了していない方は参加ご遠慮ください。
詳細・参加のお申し込みは 猫町UG 開催スケジュール から。
仮面読書会
以前、Feti Tokyoでもレポートいたしました猫町UGさんがまたやってきます。
日本には、仮面をかぶって本について語り合う場があるんです。
いい時代になったもんだ。
舞踏会とかいって参加者でおどったりしないところがポイントですね。
おどるの、たいへんですからね。
だいたい視界が悪いし、汗かいて、まわりに気を遣ったりしちゃいますからね。
「あらいやだ、汗染みができてるわ!」
とかもう、気が気じゃないですよね。
その点、本読むだけなら汗染みも気になりません。
やたらはしゃいでブリッヂでもしなければ基本的には安全です。
仮面をつけても、急にブリッジをしないくらいのマナーは守りたいものですが、たまには俗世からはなれて、ちょっと解放的な気分に浸るのも悪くないかもしれません。
ちなみに当店も出展いたします。
(編集部註:当日仮面をお求め頂くことも可能とのことです!)
猫町UGであたくしと素敵なひとときを過ごしましょう。

大川原脩平
shuheiookawara.com

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